Yokohama F・Marinos

レポート

REPORT

2019 明治安田J1 第34節 vsFC東京

前半レポート

 最終節、2位FC東京との直接決戦。15年ぶり通算4度目の優勝に王手をかけたF・マリノスは、扇原が警告累積で出場停止。MFには和田が起用されてキャプテンの喜田とダブルボランチを務める。
 Jリーグ最多入場者数の新記録となる63,854人の大観衆がスタンドを埋める中、試合はFC東京のキックオフで始まる。
 序盤、F・マリノスは激しいFC東京のプレッシングに苦しみ、いつものポゼッションができない。ただ2分・FK、3分・CKのピンチもマルコス ジュニオールの身体を投げ出してのヘッドなど集中した守備で乗り切る。
 15分を過ぎ、徐々にF・マリノスが相手陣内に入る回数が増えていく。17分、松原のタテパスから仲川が走って折り返す。その1分後にはマテウスのパスを受けたマルコス ジュニオールが仕掛けてCKをゲット。
 そして23分、ロングボールから抜け出された1対1の場面で、パク イルギュがスーパーセーブ。素晴らしい反応で決定的なシュートをストップ。このビッグプレー転機に、F・マリノスが攻撃のスイッチを入れる。
 24分、仲川が持ち上がって左足ミドル。そして26分、右サイドでエリキが起点となり、和田の横パスをティーラトンがダイレクトシュート。得意の左足からの一撃が相手に当たり、ボールはネットに吸い込まれた。
 先制したF・マリノスは33分、39分、42分とFC東京の反撃をきっちりはね返し44分、マルコス ジュニオールが上うまくラインの間に走って和田からのリターンパスを受け取ると、エリキへ。エリキはマークされながらも左スミにフィニッシュ、リードを2点に広げて前半を折り返す。

ハーフタイムコメント

横浜F・マリノス アンジェ ポステコグルー

横浜F・マリノス
アンジェ ポステコグルー

「相手がボールを持っている時に中央をコンパクトに。
ボールを奪った後、落ち着いてまわすこと」

後半レポート

 2点のビハインドで逆転優勝への条件がより厳しくなったFC東京は、2人選手を入れ替えてスタート。立ち上がりはF・マリノスが相手陣内に進んだが、FC東京の反撃にあって自陣で我慢する場面が続く。しかし2分・ゴール前でDFとGKが連携してブロックし、6分のドリブル突破は松原がストップ。そして8分の裏へのボールは、パク イルギュが飛び出してクリアした。
 14分、FC東京が3人目最後の交代カードを切ると、その2分後にF・マリノスは最初の選手交代で遠藤がイン。試合がより白熱し、スピーディーな攻撃をし合う流れとなった22分、ペナルティーの外でのパク イルギュのプレーが得点機会阻止と判断されてレッドカードに。F・マリノスベンチはマルコス ジュニオールに代えて移籍後公式戦初出場となる中林が送られた。
 23分のFK、27分の連続攻撃をしのいだF・マリノスは、リスク管理をしながらオフェンスのタイミングをうかがう。32分、自陣左からのFK、ティーラトンが素早く遠藤に送ると、遠藤はマーカーをきれいに抜き去ってドリブル。ペナルティーエリアに入って切り返してシュートコースをつくると左足を振り抜く。ボールは鮮やかに右サイドネットに決まった。
 遠藤の今季7点目のゴールで3-0としたF・マリノスは、41分のCKなどFC東京の攻勢を受けるが、決定機は許さず、終盤へ。アディショナルタイムは6分。3人目の交代選手として渡辺がピッチに送られる。47分、仲川のシュートはGKに抑えられて追加点はならなかったものの、10人になりながらも安定した攻守でFC東京を無失点に抑えて完封勝利。終盤の7連勝(11試合負けなし)で15年ぶりの優勝を達成した。  

横浜F・マリノス 試合後監督コメント

横浜F・マリノス アンジェ ポステコグルー

横浜F・マリノス
アンジェ ポステコグルー

「本当に素晴らしいパフォーマンスで、素晴らしい展開のサッカーができました。選手たちも自信を持って、やるべきことをやってくれたと思います。
簡単な状況ではありませんでした。たくさん点を取られて負ければ、相手に優勝を与えてしまう。勝つか引き分けで、自分たちが優勝できる。難しいというか、不思議な感覚でした。
そんな中、特に2点目など素晴らしいゴールでした。退場者が出てしまいましたが、自分たちは守ることなく攻め続けたうえ、3点目をゲットすることができました。選手たち、そしてスタッフを誇りに思います。
FC東京さんは強かったです。簡単な相手ではありませんでした。しかし、勝者は私たちです」

質問:こういうサッカーをするために、選手にどういうアプローチをしてきたのでしょうか? たとえば今日退場したパク イルギュ選手には、どういう言葉をかけてきたのでしょうか?
「パク選手に関しては、彼がやらなければいけない、積極的に前に飛び出していくプレーをしてくれたと思います。あのジャッジについては、だいぶ遅れて判断が下されたと思うのですが、ちょっと不思議な感じではありました。彼は本当に、責任感を持って前に出たと思いますし、彼が目指したプレーがしっかりとできたと思います。
10人になると多くのチームは守りに入ると思うのですが、結果、3点目が取れました。そういう部分でもメンタルの強さが表れました。本当に選手たちが誇らしいです」

質問:シーズンの中でかなり選手の入れ替わりがありながらも、クォリティーを維持して優勝することができた。その一番の理由は何ですか?
「理由は一つ。自分たちのサッカーを信じてやって来たことです。
今日の試合、扇原が累積となり、プラス大津がケガで出場できませんでした。その中で和田が久々に出たのですが、やはりやるべきことが分かっている選手です。これはチーム全員に言えるのですが、今までの日々の努力の積み重ねによって、誰が出ても、特別なことをやるのではなく、同じようにやるべきことが分かっていて、それができるのです。
不運にもケガをしてしまいましたが、エジガル選手が、前半から活躍して11ゴールと素晴らしい結果を出してくれました。彼のゴールがなければ、自分たちは今のこの順位にいることはできなかったと思います。
自分たちがやろうとしているサッカーを、どれだけ信じてやるかだと思いますし、それがこの結果につながったのだと思います」

質問:あなたはオーストラリア・リーグでも素晴らしい実績を残し、そしてJリーグでもこのような結果を手にしました。今、優勝を成し遂げて、どういう心境ですか?
「自分は、本当に結果についても満足しています。
新しい国、新しいリーグでやる、特にこのJリーグというのは難しいリーグだと思います。自分にとっては、本当に意欲を持ってチャレンジしようと臨みました。
私は、自分のメソッドを信じています。そのメソッドが通じれば、必ず結果は出ると思っていました。
我々のチームは15年も優勝から遠ざかっていました。先週、選手たちに“15年間待ち続けたサポーターのために、ホームでもアウェイでも、どんな時でも自分たちを応援してくれたサポーターのためにも結果を残そう”と伝えました。
2013年、このクラブは本当に悔しい想いをしました。それをしっかりと頭に入れながら、今年しっかりとタイトルを獲ろうと考えていました。
簡単なことではなかったのですが、選手たちが本当に素晴らしいプレーをしてくれました。本当に良かったと思います」

質問:長いシーズン中には苦しい時期、うまくいかない時期もあったと思うのですが、そこをどのようにして乗り越えてきたのでしょうか?
「自分は、順調という状態よりも、メディアなどの方々が“大丈夫だろうか?”というような状況になっている時が、一番ワクワクします。映画でも、もうストーリーが分かっていてハッピーエンドで終わるような展開は面白くありません。
“どうなっていくのか?”という状況を、自分はいつも楽しみにしています。クラブ、そしていつも応援してくれるサポーターの皆さんが、ずっと協力してくれていましたし、熱いサポートが本当にありがたかったです。
うまくいっていないとき、自分は“どうしよう”と思うことはまったくありません。今日の結果を見てください。去年とは全然違います。シーズン前に皆さんが“大丈夫か”と思ったことが、まったく問題なかったでしょう。
うまくいかなかったときでも、自分は動揺することなく、強い気持ちで信じてやっていくことが自分のスタイルです」

質問:攻撃的なサッカーを続けることは難しかったと思うのですが、どういうアプローチで、これを成し遂げたのでしょうか?
「特別な何かをするというより、難しければ難しい時にも、どれだけ信じてやっていくかが重要です。
そしてお互いに日々高め合い、ホームでもアウェイでも、やるべきことを強い気持ちでやっていくことが大事です。これらを私は、常日頃から言い続けています。
順位が、1位だろうが2位だろうが3位だろうが関係なく、最後まで自分たちのサッカーをやり続ける。そういうところだと思います。
選手たちには、“うまくいかなかったら自分が責任を取るから、とにかく信じてやっていってほしい”と言っています。選手たちには、プレッシャーを感じず自由にプレーしてほしいと考えていました。
直近の15試合、20試合でもたくさんのゴールが取れましたし、今年は、日々の成長が多く見られました。“呼吸をしているように、自分たちは自分たちのサッカーを自然にやっていくように。そしてプレッシャーを感じずにやることが大事だ”と選手たちに言ってきました。“負けたらどうしよう、失点しまったらどうしよう、退場者が出たらどうしよう、ケガ人が出たらどうしよう”などと思ってプレーしていたら、今日のような日を迎えることはできなかったでしょう。
結果、選手たちは強くなり、日々の努力がこうやって報われたのです」

質問:ちょっと早いかもしれませんが、来シーズンは、どういうサッカーを見せてくれるのでしょうか?
「来年のことが気になるかもしれませんが、自分たちは優勝したばかりです。
自分たちは続けてやっていきたいと思っています。この攻撃的なサッカーを、止まることなく、やり続けることは確かです。
そして、より良いチームに成長していきたいですし、成長できるチームだと思います。
チャンピオンになった翌シーズンというのは、簡単ではありません。ですが、自分は連覇をしたいという気持ちを強く持っていますし、先ほども言いましたが、自分たちがやっているサッカーを続けてやっていこうと思っています。
自分は賑やかに騒ぐのが好きなタイプではありませんが、今日まで日々努力してきた選手たちは、祝い合うことをしていいと思いますし、やるべきだと思います。
そして来シーズン、プレシーズンの初日をどういうふうに迎えるのか、今から楽しみです」

試合後コメント

「ゴールはホント、嬉しいですね。あのゴールでチームの苦しい流れが、いい流れに変わりました。和田選手がいいボールを出してくれたので感謝したいと思います。
(タイ出身選手としてJリーグの優勝は初めてということだが)僕にとってもチームにとっても嬉しいこと。僕一人の力ではなく、家族を含めた周りの人たちがサポートしてくれたおかげです。
自分がJリーグに来る前は、川崎フロンターレが一番だと思っていましたが、去年ヴィッセル神戸にいたとき横浜F・マリノスと対戦して、F・マリノスが一番だと思いました。神戸では4回対戦して、ほぼ完敗でした。今年の1月F・マリノスからオファーが来て、自分は本当にF・マリノスでやれるのか正直不安でした。でもF・マリノスのコンディショニング・コーチのおかげで対人に強い体をつくってもらい、強いフィジカルに加えて強いメンタルも鍛えられました。
ポステコグルー監督は見てのとおり厳しい人ですが、今日は今シーズンで初めて彼の本当の笑顔を見ることができたので、嬉しかったです」

「本当にみんなのことを信頼していた。安心して試合を見ていました。
優勝して嬉しい気持ちも本当にあるし、(タイトルを)1個獲ったことで2個、3個と欲しくなる。常勝軍団になれるようにやっていきたい。
今シーズンはケガ人もいましたが、自分たちのサッカーが浸透していたからこそブレずにやれたし、ここまでこれたと思います」

「自分が少し不用意なファウルをして退場になってしまったのですが、その後もチームが一丸となって戦ってくれました。
(退場後に)監督から言われたのは、こういうことはサッカーに付きものだし、ウチはチームで戦っているから、お前がいなくても大丈夫だということ。皆でつくりあげてきたチーム。信頼できる仲間ですし、そんなに落ち込むことはありませんでした。
10人でもしっかり点を取って勝てたのは良かったです。ホント、嬉しい。最高です!」

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