ですが、その後はしっかり切り替えて、自分たちのサッカーという部分でもうまくやってくれましたし、特に後半は自分たちがいい形をたくさんつくった中で、チャンスもたくさんつくれました。
本当に両チームとも、良い選手がそろっています。そんな名古屋を相手にミスをすると、それは大きなピンチにつながってしまいます。しかしその部分を含めても、自分たちは良いサッカーができたのではないかと思います」
質問:素晴らしいゲームでしたが。F・マリノスの良さや課題も全部出たのではなかったでしょうか?
「良い部分、悪い部分ということではなくて、川崎F戦もそうでしたが、早い時間帯に相手に得点を与えてしまうと、なかなか難しいスタートになります。やはり集中という部分で、しっかり入っていかなければなりません。
でも、毎試合チャンスはつくれていますし、これからもつくり続けていけると考えています。
ゴール前での判断という部分では、もう少し落ち着いてやらなければいけないと思います。自分たちの選手はまだまだ若いですし、経験が浅く、ゲームという部分でまだ試合をこなせていない選手もいます。ですがその中でも、うまくやれていますし、日々成長することが大事だと思っています。
今年は特に、最後の最後まであきらめずに勝ちに行くんだという意識を選手が出してくれています。今日も、三好選手が最後にゴール前まで行ってシュートを打ってくれました」
質問:最後のフィニッシュするという部分での、F・マリノスの武器については、どのように考えていますか?
「いろいろなチームがありますが、F・マリノスにはF・マリノスの予算があり、それを見ながらチーム構成をしなければなりません。限られた条件の中で、自分たちはチームとして、組織としてどう戦っていくのかというところを考えながら、今シーズンもチームづくりを行っています。
ご覧いただいたように、ウチのFWはジョー選手のような身長の高い大きなプレーヤーではありません。しかし、一人ひとりが、自分たちが目指すサッカーができるかどうか、信じてできるのかという点から出場する選手を選んでいます。そういう部分で、非常に良い選手がそろっていると思います。
自分は今53歳で、いつまで監督という仕事を続けられるかは分かりません。ですが自分が監督を始めてから、この攻撃的なサッカーを変えたことは一度もないのです。自分が信じるサッカーを、とにかくやりたい。そして見る側がワクワクするようなサッカーを常に続けたい。
もちろん結果は大事です。けれどもそれ以上に内容、自分がやろうとしているサッカーが、どこまで見る人に伝わって、喜ばせるような最高のサッカーができるのかというところを、自分は大事にしています。
コーチ陣も含めてチーム全員が、毎週毎週、全力で次の試合に向けて準備をしていますし、一人ひとりが妥協せずにベストを尽くしています。自分たちは何も変えることなくやり続けることが大事だと思いますし、そういう部分で、自分はこのF・マリノスというチームの指揮を執っているのだと考えています」
質問:今日の試合、PKを与えたシーンなど若い選手たちのミスもありました。どう意識づけをして、若い選手たちをどのように成長させたいと考えていますか?
「今日のPKに関していえば、判断のところだと思います。自分は、誰がミスを犯したということは重要視していません。自分が大事にしているのは、勇敢な気持ちを持って、どう立ち向かうかです。ミスを恐れずに、とにかく勇敢な気持ち、強いハートを持って、どうピッチに立つかだと思います。
そこには、経験があるとか・ないとかは重要視していません。誰にでも、ミスはあります。そこで個人を私が正すことではなく、自分たちで気づき、全体で伸ばしていく。次にやらなければいいということだと思います。そういう部分で、どう教えるかではなく、日々の成長だと自分は思いますので、そういうところに注意しながら、一人ひとりの選手を見ていきたいと考えています」
質問:今日、素晴らしいプレーをしてくれたパク イルギュ選手がチームに与える影響について、どう考えていますか? 「おっしゃったとおり、ジョー選手のシュートセーブも含め、素晴らしいプレーをしてくれたと思います。たくさんの好セーブをしてくれたのですが、GKというポジションはビルドアップもそうですが、局面局面でどう集中していくかだと思います。その部分で、今日パク イルギュ選手は、本当に集中を切らさず、勇敢な気持ちで止めてくれました。
彼が先発して3試合目ですが、うまくフィットしていますし、集中という部分で、驚くぐらいの良いパフォーマンスをしてくれています。
そして彼だけではなく、ウチのGKたちは全員一生懸命練習していますから、誰が出てもいい状況をつくれていると思います。チームのために何をもたらせるかと集中してくれていますので、これを続けていってほしいと思います」