湘南というチームは本当にタフなチームですし、難しい試合になると考えていました。予測していたとおりの試合になりました。
しかし、自分たちがやろうとしていたサッカーが出たと思います。選手たちがハードワークして、最後まであきらめず一生懸命にやったと思います。選手たちを誇りに思いますし、本当に勝って嬉しいです」
質問:前半に比べて後半の方が、より安定した戦いができて、走る量も増えていたと思います。どのような指示によって変わったのでしょうか
「湘南さんは本当にプレスが強いですし、前から素早いプレスが来ると予測していました。実際にそうでしたので、前半はなかなかリズムをつかむことが難しかったと思います。特に扇原が交代になった時間も早かったので、その影響もあったと思います。
ただし90分を通してあきらめることなく、自分たちがやろうとしているサッカーを忘れずにできました。ボールをどんどん回すことで、相手を動かすことが大事になってくると考えていました。自分たちを止めるには20分・25分だけでは足りません。90分を通して自分たち以上にハードワークしなければ、絶対に自分たちを止めることはできないと選手たちに言っていました。
今日の試合は、本当にみんながハードワークをした結果だと思います」
質問:交代で天野選手、三好選手が入っても、それまでのシステムを変えなかった点について教えてください。
「個人のところを見ることは、私は一切ありません。大事なのはチーム全体で戦うことなので、自分たちがやろうとしているサッカーをやり続け、よりパワーを持ってやるということだけを考えています。
そのために構成を変えることはあります。それぐらいの理由だけであって、特に個人がどうこうという問題はありません。
もちろん、あの時間帯で扇原がケガをして天野を入れたり、後半に三好を入れたりという変化はありましたが、それは勝つために行ったことです。自分にとって一番重要なのは、後半になればハードワークがしにくくなってきたなかでもパワーを持って、より前に行くということです。その部分、選手たちは非常に良くやってくれたと思います」
質問:中盤の形に関しては、これからもダブルボランチを続けていくのでしょうか?
「ツーボランチとワンボランチ、どちらがというのではなく、見ていただければわかると思うのですが、自分たちが止まってしまうと難しいゲームになります。誰かがボールを奪いに動いたら、みんなが連動していくということが大事です。そういう部分で、自分たちがまず何をしなければいけないかというのが大事です。ツーボランチか、ワンボランチか、システムはなど、重視していません」
質問:今日、決勝点を挙げた仲川選手についての評価を教えてください。
「一人の選手だけを評価するということは、自分はしません。チームとしてどうか、が重要です。
彼が良くやっているのはわかっています。ですが、それは彼個人ではなく、周りがハードワークをして連動している。チームとしてプレーすることによって彼が活かされる、そしてみんなも活きる。どの試合でも、全体で、みんなでどうだったのかが大事だと考えています。
もちろん仲川選手も、他の選手たちも非常に頑張ってくれていると思っています」
質問:個人的な評価は重視しないとのお話ですが、好守のハードワーク、前からボールを奪い返そう、プレッシングなど、どのチームもコンセプトは同じではないかと思います。そうなると、やはりを最後は個人の部分が大事になってくるのではないでしょうか?
「同じようなスタイルになるのではないか、という意味合いをおっしゃっているのかもしれませんが、全く違います。
今日の我々のボールポゼッションは、おそらく6割をこえていると思います。プレスは自分たちも、相手も掛けていますが、どちらがよりボールを持っていたのでしょうか? 我々です。
スプリント回数、走行距離、そしてチャンスの数など、Jリーグでも上位に位置しています。一つ・二つの部門が良くて、三つ目以降が良くないというのではおかしいと思います。
一人でプレスに行ったところで、周りのサポートがなければ意味がありません。そういう部分で、自分たちがボールを持って個の力を借りてロングボールを蹴ったとして、ウチの前線にいるマルコス ジュニオールや仲川、彼らの背丈を見てください。たぶんテーブルの下ぐらいではないでしょうか。そういうロングボールを高さで競ることはできません。
ですので、自分たちが違いを出すため、どうやったらボールを奪われずに前に行くことができるか。そういうところを見ています。ですからチーム全体で総括して、勝つことが大事ですので、今日の湘南さんとは違ったプレースタイルだと思います。他のチームとスタイルが同じということはありません。Jリーグの他チームと比べても、同じではなく、我々のスタイルは我々だけだと思います」