相手の陣内でどれだけボールを持てるか、コントロールできるか、というところを試合前に選手たちに伝えていたのですが、それがピッチ上でしっかりできていました。得点もたくさん入り、すごくいい形でプレーができたのだと思います。
第1節目の韓国での試合では、勝ちはしましたが、もっと点が取れたという内容でした。そこをしっかり修正して、今日は結果としてゴールもたくさん取れて良かったと思います」
質問:素晴らしいゲームだったからこそ、監督は、これから積み上げていかなければならない部分も考えていると思います。その点は、いかがでしょうか?
「もちろん、たくさんのところで自分たちは成長を求められると思います。まず私が言いたいのは、自分たちのサッカーを信じて、そして相手を怖がらずにプレーできるかどうかが大事だということです。それを、いつも選手たちに伝えています。
“F・マリノスは選手全員がハードワークしているね”と言っていただいています。けれども、たとえば自動車工場であったり道路の整備であったりなど、通常働いている人の方がハードワーク、一生懸命に仕事をしているかもしれません。
自分も選手たちも、ハードワークはしていますが、好きなことです。好きなことが仕事になっている、その喜びをかみ締めなければなりません。誰もがやりたいことを、自分たちはやらせてもらっているのです。それをしっかり肝に銘じて、朝起きたときから最高の気持ちで練習に向わなければならないと思います。大好きなサッカーに向き合える瞬間を大事にしていかなければならないのです。
毎日毎日、自分たちは成長できると思います。個々でも、そうです。個々の部分が成長することによって、チーム全体が伸びていけるのです。これからも満足せず、日々成長を頭に入れて、しっかりとやっていきたいと思っています」
質問:素晴らしいサッカーができている一番の要因として、選手たち全員が主体的に考えて動いてサッカーをしていることが挙げられると思いますが、いかがですか?
「自分が最初に日本に来てこのチームを担当した時、まずは観ている人たちがワクワクする、楽しめるサッカーをしたいと思いました。そして選手たちもやっている中で“このサッカーが楽しい”と思わせることが大事でした。
今は全員がこうやって理解を深めてやってくれていますが、当初は、なかなか難しかった部分があったと思います。しかし、やってきたことが積み重なってきました。
チームとして、全員がボールに関わっていくというサッカーを目指しています。我々は、トップ下だろうが、ボランチだろうが、DFだろうが、GKだろうが関係なく、11人でサッカーをしています。
またF・マリノスは4-3-3のシステムと言われますが、自分たちに4-3-3という意識はありません。11人が全体で流動的に動くことが自分たちのサッカーです。
他のチームは怖がってプレーしてしまうのではないでしょうか。トップ下とはこういうポジションだ、サイドバックとはこういうスタイルだ、GKはボックスから出てはダメだなど、怖がってプレーさせることで、プレーが固定されているように感じます。
ですが自分たちは、選手たちが主体的に、どう動けば相手を混乱させることができるかなど、自分が伝えなくとも、一人ひとりが理解を深めて動いてくれています。
リーグ開幕が数日後に控えています。相手はガンバ大阪です。リカバリーをして準備をして、挑みたいと思います。
もちろん、サッカーには波があると思います。その中で、自分たちはコンスタントに大きな波がないようにやっていけるかが大事でしょう。自分たちが、本当に良いチームだというところを、継続してお見せできるようにやっていきたいと思います」